みやぎ震災復興研究センター

震災研復興セミナー(第1回)を開催しました

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未来における地域社会の建設に向かい,予測不可であるにも関わらず,私たちは何を想定し,計画していくのか。想定を超えた脅威に臆することなく,主体的に復興に取り組んだ津波被災地,原発被災地の被災者たちから学んだこととは…

 大震災の甚大な被害にさらされた被災地は,否応なしに被災前の地域社会を成り立たせていた諸関係=秩序を破壊され,復旧・復興を通じてその再構築,いわば再秩序化を迫られた。巨大災害からの復旧・復興を成し遂げる自らの資源に乏しい被災地にとって,再秩序化は,被災直後の官僚的対応の結果に制約される。津波被災地と原発被災地とでとられた対応は全く異なるが,いずれの地域でも被災者は翻弄され,人口減少は加速した。しかし,被災地に残ってくらしくらしとなりわいの再建に取り組む人たちは,自らの関係の再構築や,復興事業に伴って新たに移り住んだ人々との新たな関係づくりを日々模索している。
 大震災によって私たちは,閾値の無い社会で生きることを強いられている。しかし,再秩序化には,基準,指針は不可欠だ。だが,不確実性の中でどのように合意を築くことができるのか。
 そしてもう一つの大問題は,人々の選択の余地を奪い「根こぎ」を迫られる危機の存在だ。根こぎをから逃避する自由が守られなければならないが,計画という社会技術は依然その権利に対応する術を知らない。
 その中でまちづくりに携わる私たちは何をすべきか。

 東日本大震災で被災した地域の復興に関わり,現場の視点で復興を支援するとともに,制度と被災者のくらし・なりわいの再建との齟齬を冷静に分析して,教訓とすべきことを忖度を排して率直に発信してきた,窪田亜矢さんの問題提起をもとに,活発な議論が行われました。

 震災研復興セミナーは,会員以外の方へも公開し,本会ホームページ上で申し込みを受けています。

震災研復興セミナー(第1回)(通算37)
日時:2023年8月25日(金)14:00〜16:00
場所:東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
開催方法:オンライン併用
報告者:窪田亜矢さん(東北大学大学院工学系研究科都市建築学専攻・教授)
テーマ:「東日本大震災の被災地における地域デザイン〜私たちはどのように暮らしたいのか?」

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