桒田先生は,宮城県のグループ補助金交付決定企業を対象にしてアンケート調査を実施し,グループ補助金の評価,グループ活動の状況などを明らかにされました。その,回答結果の分析により,制度や運用などの見直し,企業向けの支援のあり方について問題提起いただきました。
なお,今回のブレストから,会員以外の方へも公開することにし,本会ホームページ上で申し込みを受けましたが,会外の方の参加はありませんでした。
震災復興10年検証枠組み検討ブレスト(第23回)
日時:2021年6月2日(水)16:30〜18:30
開催方法:オンライン開催
テーマ:宮城県のグループ補助金交付企業へのアンケート調査
報告者:桒田但馬会員(岩手県立大学教授)
桒田先生は,宮城県のグループ補助金交付決定企業を対象にしてアンケート調査を実施し,グループ補助金の評価,グループ活動の状況などを明らかにされました。その,回答結果の分析により,制度や運用などの見直し,企業向けの支援のあり方について問題提起いただきました。
なお,今回のブレストから,会員以外の方へも公開することにし,本会ホームページ上で申し込みを受けましたが,会外の方の参加はありませんでした。
- 中小企業等グループ補助金関係事業は,宮城県が実施した300を超える産業系事業の中で最大の規模を占める。
- 既存の研究において,私企業の施設復旧に国費を投入した事業として画期的であったと評価される一方,運用においては,課題が指摘されている。
- 事業の効果や改善の必要等について,補助金を受給した事業者からの評価を聴取するアンケート調査を実施。
(岩手・宮城・福島等で730グループを対象に5,224億円(うち国費3,483億円)の交付決定(2019/12現在)が増されているが,同一グループの複数回交付決定や,同一企業の複数グループへの参加もあり,実数の把握は困難であることに留意) - 宮城県内における交付決定企業4,341社(延),356グループ(同)を母集団として電話・FAX・郵送によるアンケート調査
- 調査期間:2021年3月17日〜4月7日
- 回答:114社,102グループ
- 主な調査結果
- グループ補助金については,80%が高評価
- グループカテゴリー:新分野事業(2015年度追加)については,十分認知されていたとは言えないが,同分野採択企業の90%が高評価
- 課題:
- 年度内事業完了義務=申請範囲(修復範囲)の手控えを誘導
- 申請手続きの煩雑さ=業界団体の役割の重要性
- グループ活動が義務付けられるが要件は曖昧=曖昧さがグループ化のハードルを下げ,高評価に結果
- グループ活動に共同の営みの惹起を期待することは,原状復旧の事業目的と矛盾
- 今後への示唆
- 認められていないグループ活動経費補助を加えて,原状復旧からの脱却の呼び水に
➡︎異業種交流の促進
- 複数回受領企業の存在:初回は原状復旧,2度目は新分野
➡︎グループ側から見て単年度事業ではなく,継続的・段階的事業にすることの必要性,重要性を示す
- 認められていないグループ活動経費補助を加えて,原状復旧からの脱却の呼び水に
- グループ補助か個別補助か➡︎グループの意義を積極的に生かす方向で考えたい