第20回「東日本大震災復興と「復興権」」 嶋田一郎会員,2021年2月14日
被災者のくらしとなりわいの再建を実現することが最優先されるべきであるとの立場から,復興のあり方に危機感を募らせつつ,復興の現状に警鐘を鳴らす。鍵になるのは「復興権」の確立だ。
被災者のくらしとなりわいの再建を実現することが最優先されるべきであるとの立場から,復興のあり方に危機感を募らせつつ,復興の現状に警鐘を鳴らす。鍵になるのは「復興権」の確立だ。
人間の復興を説いた福田徳三著『復興経済の原理及若干問題』の復刻を主導した山中茂樹は,同復刻版の末尾に収録した論考において,「いまこそ人間復興の原点を見据え、新自由主義に太刀打ちできる市民的復興論を構築しなければならない。そこでもう一度、福田徳三に立ち戻そうではないか」と提起した。東日本大震災復興における宮城と岩手の比較とともに,福田が対峙した後藤新平の「帝都復興構想」にも光を当てつつ,山中の提起に応えたい。
大震災のストレスは震災被災者の健康に影響し,被災者の高齢化は問題を深刻化させる。医療従事者として震災被災者を支援し続けてきた立場から,宮城県による被災者健康調査の中止に警鐘を鳴らすと共に,東北メディカル・メガバンクが蓄積しているコホートデータを活用して,取り残されている在宅被災者の実態解明への展望を示す。
「復興構想会議」とはなんだったのか。河北新報社で震災報道に取り組んでいる気鋭の記者が,構想会議の取材を通して解き明かした構想会議の実態や取材の裏話を報告しました。
復興交付金事業の申請書や同事業の進捗状況報告書は法律で公開が義務付けられています。これら以外にも「住まいの復興工程表」などの公開されたデータがあります。公開データの有効な活用法を小川会員が伝授しましました。
大震災復興まちづくりの制度設計を担った国土交通省作成文書に潜む問題点を,市区改正条例に始まる日本の都市計画制度史をたどりつつ検討する。